フランス規矩術
線の芸術と出会う
日本の規矩術と双子のように存在する、ヨーロッパの立体幾何による木組みの技法。
カナダで偶然に出会ったその技術を、僕は今も学び続けています。
規矩準縄 — 線を引き、木を組む
規矩術とは、建築の屋根などの垂直水平ではない部材を正しく組み立てるための技術です。規矩準縄という道具を使い、各部材に加工するための墨を付けます。
世界の中の
規矩術
世界に目を向けると、似た技術は各地にあります。フランスではこれを L'art du trait(線の芸術)と呼びます。立体的な木組みを、平面の幾何によって正確に展開し、加工へと導く——名前の異なる文化の中に、同じ知恵が息づいています。
日本の規矩術と並べて学ぶことで、双方の理が立ち上がり、木造の可能性は静かに広がります。
カナダでの
偶然の出会い
僕がカナダで出会った Patrick Moore は、フランスで修行を修め、L'art du trait を英語に翻訳して教えるプライベートスクールを開いていました。
「ぼんやりと、なんか面白いことないかなぁ」とカナダに渡っていた時のこと。異国の地で想像もしていなかったすごい技術に出会えたことは、今思い返してみても、なんてツイてたんだろう、と思います。ワクワクしっぱなしの日々でした。

線が、木になる
平面に描かれた幾何が、立体の木組みへと変わっていく
日本に帰ってからも、少しずつ
ありがたいことに Patrick はオンラインコースも開設して教えているので、日本に帰ってからも少しずつ勉強を続けています。図面に線を引き、模型を組み、考え、また線に戻る。すぐに役立つ技術というよりは、長く付き合っていく学びです。
図を描く
立体を平面に展開する。L'art du trait の出発点。
木に写す
部材に墨を付け、加工へと導く。線が物質に変わる工程。
組み上げる
複雑な角度の継手仕口が、互いを噛み合わせて構造になる。
面白がってくれる人たちと、ご縁の仕事
こんなことをやっているんです、と会う人にいろいろ言っていると、面白がってフランス規矩術を使った仕事を頼んでくれる人がちらほらいます。声を掛けてくださる方々のおかげで、机上の学びが現場での実践に変わっていきます。
小さな仕事でも、大きな架構でも。複雑な角度や難しい継手があるとき、L'art du trait の幾何が静かに役に立っています。気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。



